TOYOTA MARK X
トヨタ マークX
当店のカーオーディオ製作手法は自身が持つ技術をどれくらい出すかを予算に応じて行うものです。いわゆる「消去法」です。今回、この車は現在の技術を全て出し切る事で完成させました。メーカー(ブランド)を主体に選び出した取り付けを一切していません。音質を優先させ、全ての波形を精査・チューニングする手法です。
それ相応(最高)の音を造り出すためにはスピーカーユニットの数が第一。この車は、10way(10種類のユニット)構成です。ウーハー3種類・スコーカ(ミッド)3種類・ツィータ4種類 合計10。
ウーハーユニットの選択基準:フロントドア→ボイスコイルとコーン紙のバランスが良く、無信号時の反発に優れるユニット。リアドア→13cm口径のキレの良さと重量バランス。リアスピーカーボックス(11L)にはストローク重視で反応の良さ。これらの特徴を持つ組み合わせで低域再生が豊かになります。
スコーカ(ミッド)の選択基準:フロントドア→13cmウーハーと12cmフルレンジを使い分け、特に男性ボーカル帯域の音圧を豊かに再生させるのは13cmで、女性ボーカルのやや低め帯域は12cmフルレンジをそれぞれ
ネットワークにて使い分けします。リアドア→10cmフルレンジの中域の抜けの良さをフロントと合わせる事で男女ボーカル帯域が全て埋まる手法。
ツィータの選択基準:フロント→12cmスコーカの高域に繋がせるために8cmコーンスピーカーをツィータの代用とし、さらに高域を繋げるのに音圧を保てるホーンツィータを使用。リアドア→中域から高域成分の音圧保持が重要で、10cmフルレンジの高域にソフトドームツィータを合わせます。これらのユニット構成でほとんどの高域は再生してるのですが、更に倍音を厚くする手法で35,000Hz再生のスーパーツィータをリアトレイに置いています。
以上のユニット構成をまとめ上げるにはネットワークの存在は欠かせません。コンデンサ・コイル・抵抗・音量/ツィータのアッテネータ(ボリューム)などは高品位のパーツをふんだんに使います。ツィータにはトランス式アッテネータ。音量ボリュームにはアムトランス製の数万円するもの。
これらのユニット構成(10way)で殆どの音(波形)が再生されています。ユニットの数が多い程チューニングには時間が掛かるものですが、今回はチューニング作業だけで3日を要しました。とんでもなく疲れる繊細な作業です。耳・脳・体力・・・
スピーカーをドライブする機器類も最高の音質を持つものを使ってます。前車からの移植したものが殆どですが、高品質な物は使い続ける事が出来るのでコスパ?は良いのかもしれません。
音量/メディア切り替えのセレクターなど、操作パネルは見た目にも良い印象に仕上がっています。カップホルダーは犠牲になりましたが・・・ボリュームつまみなどは、アルミ削り出しなので重量感もあります。
パワーアンプなどは、後のメインテナンスを考慮し操作がしやすいような配置にしてますが、物理的なスペースが思うようになかったので、全て納めるのに悩んだ結果が写真の出来栄えです。ちょっと無理があるかも?
スピーカーボックス(エンクロージャー)はトレイから吊って固定。17cmウーハーを納めてますが、容量は11Lと少ないのですが、ポートチューニング(位相反転)を工夫し、フロントウーハー波形の下に潜り込ませる低域を造り出してます。
完成した「音」ですが、低域から高域までの音圧が高く、ボリューム量に関わらず全ての音量でベストな音楽が聴けます。当然、倍音成分も完璧に再生していました。高額ホームオーディオにも引けを取らないどころか、それ以上の音質を持っていると思います。素晴らしい音なので言葉とか文章ではとても表現に苦慮します。自画自賛の一言では片付けられません。全精力を傾け製作した今回の作品は素晴らしい出来でほっとしました。
以上のような音造りをするためには、ユニット選考から一つ一つの材料選びを含め全ての段階で妥協をしない設計・施工を丁寧に行った結果、成しえた結果です。
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