チューニングとは?

昔から?「チューニング」をしてカーオーディオを施工してるお店が存在しないのは不思議でなりません。口ではチューニングしてると偉そうに吐いてるお店はあるようですが、実際に音を聴いてみると全く音になっていないどころか、位相(波形の並び)がとんでもないことになってる。それに気づかないのが問題です。困ったものです・・・

さて、チューニングとは何でしょう? それは、低音から高音までの波形に乱れが無く順序良く並べる
作業をさします。特に楽器などでは必須の作業であることは周知の事と思います。
スピーカーは音が出る楽器と同じですからチューニングは必須である事の認識を持たなければならないのは絶対です。やって当然の作業。

ここではカーオーディオに特化しての内容ですが、これはスピーカーを鳴らす条件全てに共通する事でもあります。作業を始めるにあたり予算との兼ね合いを前提に、全体の音の構成を設計します。
次に、スピーカーユニットを物理的に取り付ける部位でユニットの特性がどう変化するかを予想するのですが、これは経験値からユニットを見るだけである程度の特性を読めます。取り付けた状態で繋がりを考えた次の周波数帯域に合ったユニットを定め、順番に全体域を埋めていきます。

車のオーディオで重要なのは耳に近いフロントの音なので、先に暫定的な音決めをしてからリアの音も同じように複数のユニット選択取り付け作業します。
これらの作業で、ほぼ全体域の波形を埋める事が出来るのです。予算次第ではユニットの数がどんどん
増えてホームオーディオでは考えられない数になる事もあります。12wayとか・・・

ホームオーディオでは一般的に2~3way程度ですが、これはエンクロージャー(箱)に収納でき、取り付け面(バッフル)がとても強固なのでユニットの特性がきちんと出やすく、箱による波形を合わせやすいのですが車ではまるで条件が違います。ユニットを取り付ける部位が鉄板・アルミ・ファイバーなど、とても振動しやすかったり左右の距離が一定しない、軸特性(角度)がまちまちであったりで、とても音楽が聴ける条件ではありません。ですからチューニング作業は絶対なのです。

ユニットの特性を理解する事から学ばないと無理なのがカーオーディオ。

ウーハーでは、フレーム・エッジ・コーン紙・コーンの角度・ボイスコイル径など複数の要因を音造りに合わせて選択します。低音をどう再生するのかを考えると選び方が違ってきます。パワーまかせに鳴らすなら重くて剛性のあるコーン紙でエッジが硬くマグネット重量が重いのを選びます。
レスポンス重視なら、一言では決められませんが軽いコーン紙でエッジは柔らかく幅があるものでストロークがあるもの。以上の様に2通りではなく様々な条件で選択幅は複数になるのです。

スコーカ(ミッド)では、ウーハーの再生周波数と音圧を考慮して選ばないといけません。直径の大き目なドームツィータとか8~14cmのウーハー&フルレンジユニットを駆使してウーハーと繋げます。

ツィータも同様にスコーカから繋がる波形を考慮し、ドーム・ホーン・リボン・コーンなど使い分けます。ツィータは音圧が最も大きいのでなるべく耳から離さないと波形を合わせる事がとっても難しいです。

たまに耳に入る事ですが、ネットワークでチューニングするなどと言ってる人がいますが、それは無理です。車に於いては、各ユニットがきちんと特有の特性を出すことができないので必ず複数を使う事になります。ネットワークは下か上をカットすることしかできないので、基本的にユニットにて波形を埋めないと全体域を再生するのは無理なのです。それらのユニットが壊れないように、コーン紙系では超ローカットやハイカットをします。スコーカ帯域では、ローカットが基本でツィータとの兼ね合いでハイカットをします。ツィータはローカットだけをします。
これらが全てではありませんが、その時の状況をよく理解して並びの良い波形を造り出すのが「プロ」です。

以上の事から、波形を聴く事から音を作り出すので、音造りに「ブランド」は一切関与しません。
個々の車に応じた音設計に於いて対応する波形を再生すれば音造りにブランドなどは何の関係性はありません。

これらの文章を読んでもチンプンカンプンと思える人は多いのかと思いますが、チューニングは絶対必要という事実を是非デモカーにて確認して頂きたいと強く思います。デモカー試聴はいつでも可能ですので一報ください。